「北海道アイヌ紀行」(2007年8月23日~27日)
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北海道アイヌ紀行随想
私たちは「日本は単一民族の国」と教わり、そのことを当然のこととして日常生活を送っている。
しかし、明治期以前においては、北海道、樺太(サハリン)、千島列島全域に及ぶ「アイヌ王国」ともいうべき一大アイヌ民族文化圏が北方地域において展開されていた。北海道は勿論、アイヌ民族の主要な生活領域であったが、明治政府は列強諸国(特にロシア)に対抗するため、北海道支配を徹底し、そのためアイヌ民族は「旧土人」として位置づけられ、以降、苦難の歴史が始まる。
荒行の開祖「遠壽院 日久上人」は、東北蝦夷征圧の総大将 坂上田村麻呂の末裔を名乗り、祖先の所業を悲しむと共に、蝦夷の人々の菩提を弔うため、その供養に専心していた。
東北蝦夷と北海道アイヌの関係は未だ学問的には解明されていないが、多くの共通する痕跡が認められ、いずれその全容が明らかとなるであろう。
この度、大変不思議な御縁に依り、「アイヌ聖地紀行」ともいえる旅の機会に巡り合った。
当地では、アイヌの天才少女といわれ、19歳で早世された知里幸恵(ちりゆきえ)さんの墓所を参詣読経、また江戸期に和人(日本人)に対して蜂起したアイヌの族将「シャクシャイン」の慰霊などを行う機会を得た。
尚、各所巡礼の先達は、室蘭出身の作家で心霊研究家でもある三浦清宏氏(「長男の出家」で芥川賞)にご案内を頂いた。これも不思議な仏縁のお導きであり、大変ありがたく参加者一同充実した巡礼行となった(住職記)
「先住民族の権利宣言採択」 国連総会
先住民族に先祖伝来の土地の権利や民族自決権など幅広い権利を認める「先住民族の権利に関する宣言」が13日、国連総会で賛成143、反対4、棄権11で採択された。宣言に拘束力はないが、日本政府によって土地や資源、文化が奪われたと主張するアイヌ民族からは、アイヌを先住民族として明確に認めない政府に新たな対応を求める声が高まりそうだ。
(2007年9月14日 朝日新聞夕刊より抜粋)
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知里幸恵のユカラ絵本 発行:知里森舎