「フランス・ドイツ講演の旅」
(2012年02月28日(火)~03月09日(金))
【フランス編】2013年6月
パリのコレージュ・ド・フランス(College de France)より『News Letter』が届きましたのでご紹介いたします。(クリックすると拡大します)
【フランス編】
パリのコレージュ・ド・フランス(College de France)での国際シンポジウムへ招待され、行ってまいりました。
2/28 フランスのパリへ向けて出発。
シンポジウムの正式名称は「おふだ-日本の神仏の御影」。
“Ofuda-The Japanese Pantheon in Miniature”≪Ofuda-Images pieuses du Japon≫
主催は、フランス国立科学研究所(CNRS)・東アジア研究所(CRCAO)、コレージュ・ド・フランス・日本学高等研究所(IHEJ)です。
この国際シンポジウムに招待されることになったきっかけは、國學院大学史学科の 千々和 到(ちぢわ いたる)教授(元東京大学史料編纂所教授)からのお誘いが有ったためです。
そして、その内容は「荒行堂」の現場でのお札の在り方、特に遠壽院に伝わる「護符」について話しをして欲しいというものでした。
会場はパリ市内のコレージュ・ド・フランス ヴィクトル・ユーゴー記念館(Fondation Hugot -du College du France)でした。
3/1,2と2日間に分けて行われ、発表者だけの総勢16人(フランス5人 日本8人 イギリス2人 スイス1人)の参加者の中、2日目の最後に「護符」の歴史・造り方・宗教的意義についてお話ししたのち、実際に読経と祈祷を交えた護符開眼の儀式を行いました。
参加者は全員研究者で、普段は研究の対象としてお札に接しているので、実際に信仰の対象としてのお札の在り方にとても興味を抱いていらっしゃいました。
専門家を中心としたシンポジウムでしたので、日本文化、とりわけお札について濃密な議論が交わされ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
招待状および概要(Synopsys) クリックすると拡大します。
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参加者の方々と一緒に。左隣はコレージュ・ド・フランス日本学高等研究所長 ロベルト氏。右隣は故ベルナール・フランク博士夫人 。 |
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発表論文 クリックすると拡大します。
Fig.1 雪の日の遠寿院
Fig.3 荒行堂の入口の門
Fig.5 祈祷相承法式条目と加行成満者の連署
Fig.7 成満の出行
Fig.8 兜の形の紙に包まれた一粒護符
Fig.2 鬼子母神像
Fig.4 相伝書
Fig.6 水行の場面
Fig.9 護符を包んだ畳紙
ポスターおよびパンフレット クリックすると拡大します。
【ドイツ編】 3/3~8
「日独交流150周年記念」・「東日本大震災復興支援チャリティー行事」への参加依頼が、長年の友人であるインゴ・ラシッド氏「総合身体技法の会 エル・ハダヴィ(el haddawi)代表」からありました。
時期がコレージュ・ド・フランスのすぐあとだったので、スケジュールも無理なく調整でき、参加することができました。
主催はバイエルン州ローゼンハイム市。
会場は、市で一番大きな劇場である市営「KUKO(クコ)劇場」。
3/7
「武士の魂-華(はな)、心、剱(つるぎ)-」と題したチャリティー公演の中で、オープニングに800人の大観衆の前で読経と祈祷を行いました。
主題の「武士の魂」とは、昨年の東日本大震災から日本人が地道に協力し合って力を蓄え復興していこうとする姿の中に、武士道を見出したところから付けたものだそうです。
劇場に来られていた方々は、読経と祈祷がパフォーマンスではなく"祈りの儀式"であることを深く感じているようで、終わった後に拍手ではなく厳粛な空気に包まれました。
その後、和太鼓・居合道・謡(うたい)・仏教の声明・ラシッド氏演出の武士魂を描いたパフォーマンスなどが行われ大盛況でした。
ポスターおよびプログラム クリックすると拡大します。
【ドイツ編】 3/3~8
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今回の劇場での体験を経て、言葉や信仰が違っても"祈り"という行為が世界共通に認識され、とても大事にされているという事を再認識いたしました。
フランスでのシンポジウム、ドイツでのチャリティー公演会というタイプのまったく違う集まりに参加できたことは私どもにとって、とても有意義な時間でした。(合掌)