遠寿院

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インド紀行

インド紀行(2007年2月23日(金)~3月2日(金))

 作家・曽野綾子さんが中心となって活動している『JOMAS(海外邦人宣教者活動援助後援会)』が出資された、不可触民(アウトカースト)のための学校の開校式に、日本の仏教僧として出席致しました。
【学校名】ラヨロスクール
【場 所】ビジャプール(バンガロールから北西に500キロ。自動車で13時間)
アウトカーストとは、インドの階級社会(カースト)に入ることも許されない最下層の人々のこと

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インド紀行随想

 日蓮聖人がご自身の出自を述べる時、敢えて「旃陀羅(せんだら)が子」と称することが度々ありますが、この「旃陀羅」とは主としてインドの差別社会を構成している「カースト制」中最下層の民、即ち「不可触民」のことを示しています。正確にはカーストの最下層である奴隷よりも「下」である、ということから「アウトカースト」と位置づけられ、2000年以上の長きに渉り虐げられてきました。この人々は自分の正式な名を正しく呼ばれることが一生のうちに何度あるか、という様な凄まじい差別社会に生きています。(但し現在のインド社会では公的にはカースト制は無いものとされている)

 この凄絶な差別の現状を改革するために立ち上がったのが、現地で救済活動をしているカトリック・イエズス会の神父様たちであり、この悲惨な現状を打開する最良の方法は「教育」であるという結論に至り、この階層の子供達のための学校建設という一大事業が計画されました。

 この事業に曽野綾子さんを中心とする「JOMAS」(海外邦人宣教者活動援助後援会)が経済支援活動は基より、様々な支援協力を行った結果、今回の学校落成・開校式の成就となりました。

 当日(2月27日)は生徒である子供達とその家族を始め、来賓としてイスラム教徒の州知事他、多数の関係者が参列し、総勢2,000人以上の人々が、この輝かしいひと時を御祝いし合いました。ここで高等教育を受けた子供達が巣立ち、いずれインド社会は勿論のこと、世界中に大変大きな影響を与えるようになることは想像に難くありません。

 鬼子母神様の不思議な御縁に依り、このような場所に参加をし、実情のほんの一端をこの眼で確認することが出来ました。宗教宗派を超えた稀有な体験をさせて頂き、私自身、仏教徒としての広がりを深めることが出来たことに大変感謝をしております。合唱(住職)

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~☆~ あとがき ~☆~

 このインド紀行については、月刊『新潮45』(2007年4月号・新潮社)において作家・曽野綾子さんが連載さている「或る変容~夜明けの新聞の匂い~」に詳しく書かれておりますので、ぜひご覧下さい。

 また月刊『Voice』(2007年5月号・PHP研究所)では、同じく曽野さんが私日記の中で訪問の様子を紹介なさっておられます。

新潮社ホームページ 『新潮45』
PHP研究所ホームページ 『Voice』


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